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最高のカバ、レカレド。トン・マタさんのセミナー

超高品質なカバを生産することで有名なレカレド社。そして、そのレカレド社が近年から手掛けるスティル・ワイン・プロジェクト、セィエル・クレド。その3代目当主の、トン・マタさんのセミナーに行ってきたぜ。

結論から言うと、ホンマに過去最高に素晴らしいセミナーやった。

理論的、技術的、学術的に素晴らしく、非常にわかりやすく、僕がいわゆる、自然派ワインに抱いている、さまざまな「問い」に対して答えてくれていました。

トンさんの、「最高のカバ、そしてチャレロという、この地固有の品種から、至高の白ワインをつくるんだ」という想いだけでなく、通訳の佐武さんのワインに対する情熱と愛情もこのセミナーの充実ぶりに、大きな力となっていました。

箇条書きになってしまいますが、僕が勉強になったことをつらつらと書いていきたいと思います。

1.バイオダイナミック農法について

・レカレドでは、生態系を守りながら、ぶどうは栽培されています。

・詳しくはWikipediaのバイオダイナミック農法を参照。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E8%BE%B2%E6%B3%95

・草生栽培することによって、地中の虫、微生物が格段に多くなります。バイオダイナミック農法においては、微生物の存在が非常に重要であると考えられています。なぜなら微生物が地中に存在するさまざまな栄養素を、ぶどうの樹が吸収できるかたちに変えてくれるからです。だから、地中で微生物が生きていきやすいように環境を整える、具体的にいうと、微生物を殺してしまうような化学肥料を使ったりしないこと。土の中に十分な酸素を取り込めるよう、地面を押し固めてしまうようなトラクターを使わず、重力がかかりすぎないよう馬で畑を耕す、といったことがなされているのです。

・こうもりは唯一空を飛べる哺乳類で、蜂の次に植物の生態系を守るのに大事とされている。なぜなら、ぶどうに卵を産み付けてダメージを与える蛾をこうもりが食べるからである。

・生態系を考慮しておこなわれる、バイオダイナミック農法において、マメ科の植物は大事な役割を果たす。なぜなら気体中の窒素を植物にとって使いやすい硝酸塩に変換するからである。わかりやすく言うと、土に窒素、肥料を与えるということ。

2. レカレド、セィエル・クレドのフラッグ・シップであるぶどう、チャレロの特徴

・ベジタル。アニス、フェンネル、アーモンド、ヨード系の香り。

・アルバリーニョ、ベルデホなどの香り高いぶどう品種と比べると、その香りは穏やかで繊細。

・地中海品種としては非常に高い酸を持つ。

・アフターに苦味、塩味を感じる。

・生育に湿った風が必要で、海に近いところで、標高400mくらいのところで栽培される。

・海からあまり離れすぎたり、標高の高い

ところで栽培すると花ぶるいを起こす。

・遅霜や花ぶるいの被害を受けやすい。

・収穫のタイミング遅い、生育サイクルが長い品種。

・作付け面積9500ヘクタールのうち、7000ヘクタールがペネデス。

・風に強いガルナッチャや、カリニャナに比べて、風に弱い品種である。

・カタルーニャでは、ブリサットと言って、白ワインを、赤ワインのようにマセレーションしてつくる方法が伝統的に存在していた。

いわゆる「オレンジワイン」である。チャレロはブリサットに向いている品種である。

・イタリアから入って来た黒ブドウのの変異種と言われている。そのために白ぶどうにしてはマセレーションによってタンニンが得られやすい。

・還元的な品種、遊離揮発酸が出やすい。

*補足

チャレロのワインについて書かれた佐武さんの素晴らしいブログ。

http://blog.vivaspain.es/2013/10/post-183.php

3.コルピナット、カバ・デ・パラへ・カリフィカードについて

・コルピナットとは、このレカレドも含めてカバの優良生産者が集まってつくられた、高品質なカバを保証するための新たなる枠組みづくり。

・カタラン語で、コル=心、ハート、中心

ピナット=ペネデス

足して=コル・ピナット

・要は安かろう悪かろうといったカバから、 高品質なカバを守るための枠組みづくり。詳しい規定については、ヴィノテーク2018年7月号で、ワイン・ライターの蛯沢さんが素晴らしい記事を書いていますので、ここでは割愛させて頂きます。

・また、DOカバの方でも、相次ぐ優良生産者がDOカバから脱退していっていることに危機感を覚え、高品質なカバを保証するための新たなカテゴリー、カバ・デ・パラへ・カリフィカードをつくった。

・こちらも色々規定はあるのですが、コルピナットとのそれと比べると、だいぶ曖昧なところはあるようです。

・とはいえ、パラへに認められたカバは、素晴らしいものであることは間違いないです。

つらつらと書きましたが、このセミナー内で飲まさせて頂いた、カバ、スティル・ワインは本当に素晴らしいものばかりでした。これだけの作品が、本当のところで、ワイン好きの人たちに、知られているかというと、まだまだ、だと思います。

スティル・ワインはワイナリー和泉屋の新井さんが、いろいろお話をして、広めようとしていますが、

http://www.wizumiya.co.jp/category/1195.html

カバの方は、全然、知られてないなー、といったところでしょうか。。。

でも、ホンマに飲んだらビックリするで、な、カバなので、僕も頑張って、「うまっ!」と言ってもらえるように、いろいろ伝えていきたいです。

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